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HOスケールプラ製アメリカ形客車
プロトタイプ・データベース-2
(絶版メーカー編)
(HO-Scale Passenger Car)
(Prototype Database-2)
(Out of Production Items) |
このページはとかく『なんちゃって』の多い
アメリカ形プラ客車のベースになった車輛
を調べる資料としてお使い下さい。
なお最初から『○×用』として製品化
されている車輛については割愛させて
いただきます。また使用している製品
写真は必ずしもベース車に忠実では
ありません。
なお現在は仮アップ状態のため
折を見て記事、メーカー等を追加
していきます。
*一部写真の不要部分をトリミング
及び追加しました。
(2016-04-14追記)
*元写真がgif仕様でガタガタだった
のをjpg仕様に変更致しました。
(2019-11-11再追記) |
イースタン・カー・ワークス
(Eastern Car Works) |
未塗装プラキットメーカーでしたが部品の
付いているランナー(=枝)が途中で切れて
いるため金型冷却時の収縮がモロに
部品に来るためヘナヘナなキットで、
それを修正するだけでもかなりの苦労を
強いられました。
とはいえ、バックマン/スペクトラムで
P-70系をやるまでは唯一のプラ製
ペンシー旧型客車だったのとバックマン
では製品化しなかった広窓改造車
や丸屋根車が含まれていたので重宝
しました。
もとはE&C社という会社だったようで、
その時期には塗装済みキットもあった
ようです。 |
旧型客車(Heavyweight Cars) |
HW Coach class P-70
PRR
*ペンシーの標準的旧型座席車です。 |
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HW Coach class P-70FBR
PRR
*ペンシーの標準的旧型座席車、
その丸屋根改造車です。 |
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HW Coach class P-70FAR
PRR
*ペンシーの標準的旧型座席車、
その広窓化改造車です。
屋根は二重屋根のままですが
実車には丸屋根化改造された
車輛もあります。 |
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HW Business Car class Z-74
PRR
*ペンシーの標準的旧型
ビジネスカーです。車輛によって
旧型2軸、旧型3軸、新型2軸
と台車が異なりました。
*ブロードウェイ・リミテッド社から
決定版が発売になりました。 |
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85ft RPO-Baggage Car
NYC RPO-Baggage Car
for 1938 "20th century Ltd."
*実車は3軸台車ですが
製品は他車同様、GSCの
2軸台車です。
MTHから同形車が発売に
なってしまいました。 |
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85ft Coach
NYC 56-Seat Coach(PS、ACF) |
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85ft Diner
NYC "20th Century Ltd." |
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85ft Dormitory-Lounge Car
NYC "20th Century Ltd." |
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85ft 4-4-2 Sleeper
*ごく一般的な4-4-2寝台車です。
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85ft 6-6-4 Sleeper
*ごく一般的な6-6-4寝台車です。
*Sorry, No Photo |
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85ft 7-4-3-1 Sleeper
GN 7-4-3-1 Sleeper
for "Empire Builder"
*ウォルサーズから同形車が
発売になってしまった形式
です。ニューメキシコ州
プエブロ駅まで足を伸ばして
いるので実はAT&SFの
車輛と並んでいても
何らおかしくありません。
というかモーニング・サンの
Santa Fe in Color
vol.2にAT&SFのFユニットと
一緒に収まっている写真が
掲載されています。
*Sorry, No Photo |
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85ft Observation Car
NYC Sleeper-Observation Car
for 1938 "20th Century Ltd."
*初代流線形20世紀号用の
展望車『~Island』シリーズ
です。台車が異なります。 |
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コルゲートサイド客車
(Corrugateside Cars) |
85ft Baggage-Lounge Car
*ニューヘブン(NYNH&H)
向けの荷物・ラウンジ合造車です。 |
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85ft Coach
*これも上記と同様です。
*Sorry, No Photo |
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85ft Osgood-Bradley
84-Seat Commuter Coach
*いまやラピッド・トレインズが
製品化しましたが当時は
唯一でした。 |
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85ft Budd 56-Seat Coach
for NYC, Built 1941
*6-6-4 Sleeperに
掲載のカタログ写真の中段。 |
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85ft 4-4-2 Sleeper
AT&SF Pre-War 4-4-2 Sleeper
for 1938 "Chief"
*ウォルサーズから同形車が
発売になってしまった形式です。
*6-6-4 Sleeperに掲載の
カタログ写真の最上段。 |
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85ft 6-6-4 Sleeper
*実はプロトタイプは存在しません。
というか実際にはAT&SFの
Valley-Seriesなのですが、
実車は戦時設計のため
コルゲート板を付けずに
竣工したためいわば
『幻の6-6-4』なのです。
*カタログ写真の上から2段目。 |
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インターナショナル・ホビー・コープ
(International Hobby Corp.) |
長い間リバロッシにOEM生産させていましたが
リバロッシグループが倒産した際、縁が切れた
ようで代わりに2000年頃に新金型にて一挙
24車種を発表しましたが出来は『リバロッシに
毛が生えた程度』で、お世辞にも良いとは
言えませんでしたが旧プロト2000ノEユニット
ディーゼル機をなぞったかのようなラインナップ
もあり、また、とにかく『一々塗装したり
ディカ-ルを貼ったりする必要が無い』
というのが唯一の強みでした。
2008~2009年頃に下請けのメハノ
(スロベニア)が廃業したため連鎖消滅。
現在では一部の業者が在庫残りを
e-bayで定価販売していますが
いつまで在庫が続くのか…。
なお車体はメハノの中国工場、室内装置
キットはヘルヤン製だったようです。
これ用の室内装置キット(特に旧型車用)
が今e-bayでとんでもない金額で
取引されています…。
2011年3月中旬に『IHC Hobby
Texas』として新規サイトが立ち上がり
ました。
(旧IHCサイトも一部変更の上で復活。)
もしかして供給が再開されるのかも?
と思ったらIHCの在庫残りを売っている
ようです。HW RPOの室内キットも販売
していますが水濡れ品(数個まとめて注文
すると箱が貼り付いた状態で届きます)
である事からIHCは『倉庫か本社が火災に
見舞われた事が原因での廃業』では
ないかと推測しています。
*その件でテキサス州へ移転した
可能性が大です。
*窓周りのバリが酷いのでヤスリ掛け
する事をお勧めします。 |
旧型客車(Heavyweight Cars) |
72ft HW Baggage Car
*後述のリバロッシ同様、
B&Oらしいですが…。比較的
癖の無い形状なので
他鉄道の塗装でも違和感なく
使えます。 |
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72ft HW RPO Car
*これも荷物車同様B&Oという
意見と旧客編成のGN
エンパイヤー・ビルダーの
写真でもこんなの見た
記憶があります。こちらも
比較的癖の無い形状なので
他鉄道の塗装でも違和感なく
使えます。 |
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80ft HW Combine
ベース車:AT&SF Rider Car
class 2602-2608
*リバロッシ製品同様、
サンタフェが荷物列車用に
使用していたスタッフ休憩室車が
ベースです。元Baggage-
Library-Buffet Lounge
Car class 1342-1349で
転用される際に大幅に窓埋め、
荷物ドア大型化を行いました。
なお座席部の窓形状ですが
製品は大きな一枚窓ですが
実車は車輛によって元の中桟
あり(例:2606, 2608)と
上部窓を埋めた車輛
(例:2603)の2種あります。
余談ですがこれ用の室内
装置キットはタネ車の室内
装置を模しているので本来は
旧リバロッシ製を入れるのが
正しいかもしれません。
(実車が3輛現存している
ようなので実際に現地で
確かめる事は可能です。) |
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80ft HW Coach
ベース車:Great Northern(GN)
Coach class 950-966
*GNがカスケーディアン号などに
使用していた旧型座席車です。
窓位置が他鉄道の座席車
よりも若干高い位置にあるのが
特徴です。 |
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80ft HW Diner
ベース車:Baltimore & Ohio(B&O)
Diner
*ダイニング部窓左右の細い窓が
特徴的なこの車輛はB&Oが
プルマンに製造させた車輛です。
今は亡きクラトビル・
パブリケーションズ刊
『Steam, Steel & Limiteds』に
実車写真が掲載されています。
B&O以外の塗装の場合、
ダイニング部窓を大窓1枚に
加工してしまうと比較的癖のない
タイプに見えます。
私の個人所有分はB&O以外、
その加工を行いました。 |
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80ft HW 12-1 Sleeper
Pullman Plan #3410B,
No Air Conditioning Duct
*後述のリバロッシ同様です。
屋根板をブランチライン・
トレインズ→アトラス社の
冷房ダクト付きに変えると
簡易的に冷房改造出来ます。 |
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80ft HW 8-1-2 Sleeper
Pullman Plan #,
No Air Conditioning Duct
*後述の展望車もそうですが、
どこでどう間違ったのか
窓位置が低いです。 |
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80ft HW Observation Car
Pullman 3-2 Sleeper-Lounge-Observation Car
*前述の8-1-2同様、窓位置が
低いです。おそらく後述する
リバロッシの展望車につられた
ためかと思います。
なおウォルサーズも同形式を
発売しておりますがエアコンダクトの
パターンが若干異なり、こちらは
ダクト裾に若干段が付いたタイプ
ですので調査すれば使用された
列車名を特定出来るはずです。 |
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85フィート流線形客車
(85ft Smoothside/Corrugateside Streamliners) |
このシリーズ、大胆なことに『コルゲートサイドの
図面からコルゲーションを取ってスムースサイド
車体を作る』という設計を行っていたので
スムースサイドについては解説を割愛します。
ちなみにコルゲートサイドのベース車は
SR×5、AT&SF×3です。 |
85ft CS/SS Baggage Car
ベース車:SR Baggage Car
class 1750-1751
*ワシントンD.C.とメンフィスを
結んだテネシーアン号、
その1941年編成に使用された
荷物車です。85フィートで
ドア片側3枚という特殊形状を
持っています。 |
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85ft CS/SS RPO Car
ベース車:SR Baggage-Mail
class 1700-1701
*これも同じくテネシーアン号の
郵便・荷物車ですがスムースサイド
仕様の方は、比較的似た形状の
車輛が他鉄道にも存在したので
それほど違和感なく使えます。 |
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85ft CS/SS Combine
ベース車:SR Baggage-Dormitory
Coach class 700-705
*またまた出てきた曰くありげな
車輛。荷物・スタッフ寝台・
座席車を選定したのは当時
としては賞賛に値しますが、
この車輛もなにを隠そう
『偽装隔離座席車』です。
この車輛はテネシーアン号
以外にサザナー号にも使用
されています。
時代上、首都と南部を結ぶ
だけあって隔離車は必要。
かといって模型で隔離座席車
(この車輛の次に連結されて
いました)を作ればバレた場合、
人権団体から反発を食らうのは
筆致。
という事でプラ製品初の流線形
合造車を作ったものの、その実、
この車輛は実物では黒人専用車。
うまい言い逃れです。 |
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85ft CS/SS Coach
ベース車:SR 56-seat Coach
class 800-814
*上記に連結する座席車。
これもサザナー号と兼用ですが
車番と共にカーネームが付いて
いて、それは沿線の地名になって
いました。PRRも併結用に
銀車体で1輛作っています。
なおこれ用に別売されていた
室内装置キットは後述のリバロッシ
のコルゲートサイド・コーチに
ほぼ転用出来ます。これを
知った時は驚きました。 |
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85ft CS/SS Vista-Dome Car
ベース車:AT&SF Dome-Lounge Car
Class 500-505
*コンコーの製品同様、
スーパー・チーフ号の
ドームカーです。
これが選定された理由としては
コルゲーションを無くすとB&O、
MoPacなどにいたドームカーに
似て来るためかと思います。
またプルマンのデモンストレーション
編成だったトレイン・オブ・トゥモローも
この形状に近いです。 |
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85ft CS/SS Diner
ベース車:SR 48-Seat Diner
class 3300-3304
*これもテネシーアン、サザナー共用車です。 |
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85ft CS/SS Sleeper
ベース車24-1 Duplex-Sleeper(PS)
*サンタフェがプルマンに発注した
インディアン・シリーズです。『1』
の部分はプルマン社から派遣
されたポーター用スペースです。
この車輛は1960年代に
大改造されて11ベッドルーム
寝台車に生まれ変わりました。 |
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85ft CS/SS Observation Car
ベース車:4-1 Sleeper Observation
"Vista Club"(ACF)
*戦後、サンタフェがスーパー・
チーフ号の車輛を置き換えた際、
6輛必要となる展望車を
不思議な方法で調達しました。
プルマン・スタンダードに4輛発注、
自社手持ちから1輛抜擢、
そして残り1輛はACFに発注
しました。
このACFへ発注された1輛が
模型化された車輛です。
この車輛のみ製造時から
台車間スカートが無いため
編成に入っていると、すぐに
わかります。また展望部扉の
幅が他車よりも広いのが
特徴的です。
*展望側はダミーナックルが
付いています。(連結:不可)
私の個人所有車はすべて
うまく切り抜いて車体マウントに
したケーディー連結器を通して
回送時も再現出来るように
しています。 |
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リバロッシ(AHM/Rivarossi) |
AHM(=American Hobby Manufacture)の
金型を引き継ぎ、長期にわたり生産されました。
一時期アメリカ形部門の専売権をウォルサーズが
持っていましたがリマ・グループになった後、倒産。
英国型のホーンビー(Hornby)に買収されましたが
、とにかく製品がなかなか出てきません。これらの
金型がどうなっているのやら…。 |
60フィート旧型客車(60ft Heavyweight Cars) |
荷物車及び座席車は現在も生産されているので
まとめて現役メーカーページにて解説しています。 |
72~80フィート旧型客車(72~80ft Heavyweight Cars) |
72ft HW Baggage Car
*B&Oらしいです。
新IHCと同様のため割愛します。
*Sorry, No Photo |
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72ft HW RPO Car
*これもB&Oらしいですが
このタイプはGNにもいたはずです。
これも新IHCと同様のため割愛します。
*ちなみに見本写真の塗装は
『NMRA Headquarter
Express』なる特別品で
1981年、NMRAチャタヌーガ
大会の折、当時リバロッシの
米国代理店をしていた
AHMが発売したアイテムです。
USRA Heavy 4-6-2、
Baggage-RPO、Diner、
Sleeper×2、Observationで
一組のようですが記念アイテム
にも関わらずそれぞれ単体の箱で
売られていたようです。 |
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80ft HW Combine
ベース車:AT&SF Rider Car
class 2602-2608
*IHC同様、サンタフェを
選定しています。
実車解説はIHCの項で
書いたので割愛します。 |
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72ft HW Coach
SR Coach 1491-1504,
1506-1508, 1510
*『MORE CLASSIC TRAINS』に
1397号写真が掲載されていました。
確かにサザン鉄道でクレセント・
リミテッドに使用された車輛の
ようですが2トーングリーンで
有名な1929年編成ではなく
木造車主体の1910年代の
編成のようです。 |
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80ft HW Diner
ベース車:AT&SF Diner
class 1456-1463
*サンタフェの広窓食堂車です。
コンバイン同様、裾の台枠が
見えているのがサンタフェ
旧型客車の特徴です。
サンタフェの旧型車は後に
屋根肩にエアコンダクトを付け、
上段窓(調理室部を除く)を
埋めている事が多いので、
その加工を行う手もあります。
またシャドー・ペイント化
(=ステンレス車体風塗装)
されている時期もあります。
個人的には上段窓を埋めて
2トーン・グレーで塗装、さらに
車体中央部窓下に『スカウト
(Scout)』号のプレートを貼った
車輛を所有しています。 |
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80ft HW 12-1 Sleeper
Pullman Plan 3410B,
No Air Conditioning Duct
*ごく一般的なプルマンの
旧型寝台車でも一大勢力を
誇った12-1、その中でも比較的
輛数のまとまっていた3410Bクラスが
ベースです。ウォルサーズ製品が
発売される前、米国プラ客車
ファンの間では、これをベースに
自作窓枠またはニュー・イングランド
・レイル・サービス社のコンバージョン
部品を用いて他のパターンに改造
する方が多く見られました。かく言う
私もアマチュア時代に12-1でも
化粧室の窓パターンが異なる
3410A、8-1-2、8-1-3、
6-1-4、10-1-2、6-6などを
作りました…。 |
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80ft HW Duplex Sleeper
ベース車:Eventide, Nocturne
*不思議な車種を選んだものです。
この車輛、デュープレックス寝台車の
実験用に2輛試作された車輛が
モデルになっています。
ペンシーやニューヘブン辺りに
いたようです。近年『The Cars of
Pullman』にペンシー塗装の
カラー写真が掲載されました。
*上写真が個室側、下写真が通路側です。 |
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80ft HW Observation Car
ベース車:
AT&SF Cafe-Observation Car
class 1513-1514
*これもサンタフェがベースです。
裾に台枠が見えている表現が
されています。2輛共、デンバー
(Denver)とラ・ファンタ(La Junta)
間のセンテニアル・ステート号
及び別区間のオイル・フライヤー号
に運用されました。
なお末期には2トーン・グレー
塗装になっていて一部窓埋めを
行ったようです。
また一般運用終了後は
保線用に改造されました。 |
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72ft~85フィート流線形客車
(72ft-85ft Smoothside Streamliners) |
リバロッシのスムースサイド客車のベース車は
PRR×4、UP×3、KCS×1から成り立っています。 |
72ft SS Baggage Car
ベース車:UP Storage Mail Car class(PS)
*台車中心位置が車端に
ずれている事を除けばそのものです。
これについては付いている
台車のセンターがずれている事から
生じているのでオリジナルの
中心穴に正しい中心穴を持つ
OSH台車を持ってくれば
正しい状態になります。 |
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72ft SS RPO Car
ベース車:PRR RPO-Baggage Car
class BM70nb
*ブロードウェイ・メイル・カーという
愛称も付いた郵便・荷物車です。
モダン化改造された際に台車も
流線形用に履き替えているので
合っています。
ただし屋根上のベンチレーター
位置が前後逆なので窓ガラスを
撤去して屋根を前後入換えると
正しくなりますが各ドア上の
水切り位置を修正する必要が
あります。
これは元々台車が車端に
寄っているのが正しいです。
ちなみにSP Daylight塗装車の
屋根をHW Coachと交換すると
SP "San Joaquin Daylight"
運用車のように見えます。(昔の
MR別冊から。)
ただし実車は80フィート級ですが…。 |
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85ft SS Coach
ベース車:KCS Coach
for "Southern Belle"(PS #7432)
*『不思議な車輛選定の極み』
とも言うべき車輛です。この車輛、
外から見ると一般的な広窓座席車
にしか見えませんが背もたれを
よく見て下さい。中央部少し
右側の2枚の窓に背もたれが
無い窓があると思います。
ここがこの車輛の謎を解く
大きな鍵になっています。
ここには仕切りと共に線路と
平行に配置されたラウンジ
シートが存在しているのです。
そう、これは『偽装隔離
座席車』とも言える車輛なのです。
KCS沿線は人種差別の
根強い南部を控え、列車の
デビュー時期も1940年と
未だ人種差別真っ最中。
そのため乗車時に白人と黒人
を分けるために存在したのが
ディバイディッド・コーチ
(隔離座席車)です。KCSに
限らずサンタフェのテキサス・
チーフ号にも連結されて
いました。
またC&Oの52席座席車が
中央部を境に前後分かれている
のもおそらくこの影響かと思います。 |
 *これがその証拠の室内装置
キット。中央左寄りに横向きの
椅子が一区画あるのがわかると
思います。 |
85ft SS Vista-Dome Car
ベース車:UP Dome-Coach
class 7011-7015(PS)
*7000-7009も近いですが
あちらはACF製、こちらは
プルマン製で増備時期等の
関係上、若干異なります。
これも台車はOSHに変更すると
実車どおりになります。
ただし他形式も含めて元台車の
位置が正しいので中心穴は開け
直す必要があります。
元UP車と後述の10-6 Sleeperは
ウォルサーズ/リバロッシ末期に
窓、台車周りを中心に大幅に
手が加えられました。
その後にドームダイナーが
発売されるはずだったのですが…。 |
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85ft SS Diner
ベース車:UP 48-Seat Diner
class 4800-4816
*ウィンドシル・ヘッダーが無い事を
除けば、ほぼそのものですが
汎用性を持たせるために
車端部にスカートを足しています。 |
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85ft SS Roomette Sleeper
ベース車:PRR 10-6 Sleeper
8339-8342(ACF)
"Huron Rapids", etc.
*ペンシーがACFに
4輛製造させた車輛がベースです。 |
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85ft SS Duplex-Sleeper
ベース車:PRR 12-5 Duplex-Sleeper
"~Brooks"シリーズ
*これもペンシーです。
*デュープレックス・スリーパーは
HW、SS共に遂に室内装置が
販売される事はありませんでした。
ホーンビーへ吸収後、
ニュルンベルグ・ショーにて
UPビッグボーイと共にUP客車の
セットも発表はされたようで
一時期ホーンビー・
インターナショナルのサイトに
見本写真も掲載されていましたが
現在は落ちているようです。
*上写真が個室側、下写真が通路側です。
*見本写真は私の仕様で
台車を旧MDCのCommonwealthへ、
カプラーはJay-Beeのカプラーパッド
にて車体マウントケーディー化
してあるためオリジナル状態ではありません。 |
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85ft SS Observation Car
ベース車:PRR 2-1 Sleeper Observation Car
"Mountain View", "Tower View"
*ブロードウェイ・リミテッド号に
使用された2輛がベースです。
ウォルサーズから精密な製品が
発表された今としては無用の
アイテムとなりました。
なお一部窓配置を変更すると
近似の別のペンシー車になります。
*展望側の連結器はダミー
ナックルが付いています。
(連結:スケール・ナックルであ
れば可能)
私の個人所有車はうまく切り抜いて
車体マウントしたケーディー
連結器を付けて回送時も
再現出来るようにしてあります。
*見本品は未塗装仕様です。
写真でわかるとおりリバロッシ
(新IHCを含む)は屋根と窓が
一体成型されています。 |
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85ft 44-Seat Coach
ベース車:UP Coach class 5450
*ウォルサーズ/リバロッシ末期に
発売されたUPセットに含まれていた
座席車です。 |
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85フィート・コルゲートサイド流線形客車
(85ft Corrugateside Streamliners) |
リバロッシのコルゲートサイド仕様は4車種のみで
終わってしまいました。また室内装置の
別売及び同梱も行われませんでした。
なお食堂車以外の車種は側面に
乗降扉のある妻面にも貫通扉がモールド
されてしまっているのでヤスリ等で切り抜いて
扉無し状態にすると、より実物に近くなります。
これは他社の流線型客車全般に
採用出来るディテールアップ方法です。 |
85ft CS Coach
ベース車:NYC 56-Seat Coach
#2564-2569, David B. Hill, etc.
for "Empire State Express"(Budd)
*米国にも似たような事をや
っているサイトがいくつかあり、
そこでNYCと記載されていたものの
車番までは特定されていなかった
車輛です。
実車は1941年秋にNYC向けに
16輛製造され、6輛は車番、
残り(=エンパイヤー・ステート用)は
すべて知事名のカーネームが
付けられました。
台車は台車側面にブレーキシリンダーが
見えず、ブレーキシューも無いようなので
ディスクブレーキ仕様かと思われます。
*見本写真は室内装置を入れて
ありますが、これは新IHCが
発売していたSS/CSコーチ用で
片やBudd製、片やプルマン製と
違いはあるものの偶然にも同じ
56席タイプだったため、試しに
当ててみたらほぼピッタリ!車輛側の
床板のリブを切ったり室内装置の
床板側を床板の窓押さえに合わせて
切ったりしてなんとか収まりました。 |
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85ft CS Diner
ベース車:NYC Grill-Diner
450-467(Budd)
*ウォルサーズから同形車が
発売になった以上、無用の長物と
化してしまった車輛です。
この車輛、食堂部の車体中央
寄りの大窓3枚分は『グリル・
セクション』という位置づけで
椅子がロングシート・タイプに
設置されています。
なお製品にはキッチン部の
煙突が表現されていない
(コーチなどと共用モールドの
ため?)ので自作等で付ける
べきです。
*見本品は私がe-bayにて
落札したため前所有者が
連結器をケーディーから発売
されている台車マウント形に
交換してありました。
*実はこの製品にもIHC製
室内装置キットが入る事が
判明しました。
(2016-04-14追記) |
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85ft CS Roomette
ベース車:NYC 10-6 Sleeper(Budd)
または
PRR-SAL 10-6 Sleeper
for "Silver Meteor",etc.(Budd)
*サンタフェのパイン、UPの
パシフィックによく似ていますが
写真中央より右側3枚の窓が
ちょうど窓一個分ずつ左に
ずれています。
(パイン、パシフィックは右ずれ。)
幕板部は長い鉄道名を印刷
出来るように平滑になっているので
グリーン・マックスのコルゲート
シートなどを用いて中央部以外に
コルゲーションを付け、中央部
の鉄道名の部分はプラ板で
作成して貼ると、より実車に
近くなります。
また実車は時期によって台車間
スカートの有無があります。
*見本品は連結器をJay-Beeの
カプラーパッドを用いてケーディー
30番代ポケット+46番のナックル
に交換してあるためオリジナル
ではありません。 |
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85ft CS Observation Car
ベース車:Coach-Lounge-Observation Car
for Reading(RDG) "Crusader"(Budd)
*これも戦前車からの車種選定で
レディング鉄道のクルセーダー号の
座席・ラウンジ展望車です。
展望部おでこ左右にある2連の
マーカーライトと窓配置が決め手です。
デビュー当時は古い4-6-2を
ステンレスカバーで包んで流線
形化改造した蒸機が5輛編成を
牽引していました。
珍しいのは機関車の交換または
方向転換だけで折り返しが
出来るよう、展望車-座席車-
食堂車-座席車-展望車、という
編成だったことです。
また蒸機のテンダー後部からは
カバーが伸びていて客車を連結
すると展望部がスッポリ包み込まれて
しまう構造になっていました。
なお外見上は同じサイズの
広幅窓が並んでいるので
座席展望車に見えますが
展望側台車部の窓2枚分が
片列7席(=両側で14席)
のラウンジシートになっています。
模型的には室内装置を
作る際に窓配置を加工せず
とも座席展望車、
座席・ラウンジ展望車、
全室ラウンジ展望車、
パーラー展望車、
パーラー・ラウンジ展望車、
といったタイプに作成可能
ですがラウンジ室をバーカウンター
付きにしようとすると窓埋めが
必要になるのでお勧めしません。
*見本品は前後連結器を
上記10-6と同様に加工して
あるためオリジナルではありません。
入替え機による回送作業を再現
出来るように展望側も連結可能に
加工してあります。
なお展望側の連結器は
オリジナルはダミーナックルが
付いていて開口部も、
もっと小面積です。
*e-bayにて未加工品を新たに
入手したので加工前に写真を
撮影してみました。カプラー部の
開口量が異なるのが
わかると思います。
なおオリジナルのダミーカプラーの
ままでもケーディーのスケール
カプラーであれば多少バリ取りを
すれば引っ掛けて連結する事は
可能です。 |
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