さかつう鉄道模型店
プラ製品で遊ぶ北米の客車列車Web版

その2:『ドMな方向けの』プラ客車の走行性能改善方法

《目 次》
《1:前書きに代えて》
《2:インテリアの搭載》
《3:台車センターピンを正しい位置に変更!》
《4:連結器はケーディーを正しい高さで装着!》
《5:車輪は金属車輪に交換》

*元文章がメールニュース用の下書きのため、文章中の数箇所にウェブアドレスが記載されていますがWeb版用のため一部リンクを切ってあります。
 お手数ですがリンク先をご覧になりたい方はアドレスをコピーペーストした上でご覧ください。


《1:前書きに代えて》
 さかつうへ入社する前、『四店会(=アサヒホビー、さかつう、新額堂、モデルキングダム)』が主催して千駄ヶ谷の全郵政会館にて開催されていた『外国型運転会』に何度か参加したことがあります。

 当時参加される多くの方は『機関車+貨車』という編成、もしくは『機関車のみ』で参加され『機関車+客車』という組み合わせは私を含めても数える程度でした。
 で、私のプラ客車編成は当時から走行関係にかなり手が入っていたので、そういった場で10分間(当時、4店会の運転会では一人の運転出来る持ち時間は準備・撤収を除いて10分間でした)連続走行させても脱線、連結開放、といった事故は起きたことがないのですが他の方のお持ちになった編成を見ていると『ホーンフック(=X2F)連結器のまま』、『プラ車輪のまま』、『ウェイト不足気味』といった状態のようで何度も『事故状態』になったのを見てきました。

 まあ当時のプラ客車は製品そのままの状態できちんと走行する製品は皆無といってよく、最低でも『金属車輪+ケーディーカプラーへの交換』が必要でした。(この最低限の調整できちんと走るようになるのはアサーンのキット位だったかもしれません。)
 そんな中、2000年に現れたWalthers製Budd客車から始まる一連の客車シリーズは当時のプラ客車のレベルからすれば『次世代製品』と言っても過言ではない出来でした。(それではBLIのカリフォルニア・ゼファーはウォルサーズではユーザーに任されている手すりの取付けや室内灯も完備なので『第3世代』とでも言うべきでしょうか?)
 『ブラスモデルにも引けを取らない精密車体』は言うに及ばず『走行関係をきちんと作ってある』点はかなり評価できます。

 で、そんな良い製品がたくさん発売になる状態になったにも関わらず、最近自宅ではまた旧世代プラ客車製品への工作を行っております。

 というのもWalthers、Broadway Ltd. Imports、Inter Mountain、Rapido Trains、Branchline Trainsといった客車メーカーではまかなえない鉄道名や列車ってありますよね。そんなとき役に立つのが新IHCなどの安価な客車シリーズです。
 IHCの客車シリーズは、はっきり言って『安かろう悪かろう』です。ものすごく手を入れないときちんと走行するようにはなりません。

 しかしこの塗装済みの車体は何物にも代えがたいのは事実です。『あれを一からスクラッチ』するのは塗料、ディカールの点から言っても不可能に近いです。いかにマイクロスケール社のディカール製品が1600(=1260種類以上+Mini Cal 400種類以上)種類以上発売になっていても意外と発売になっていない種類ってあります。
 例をあげるとグレート・ノーザン(GN)の蒸機用がマイクロスケールでは2006~2007年になってからの新製品だってこと、信じられますか?
 以前『GNの蒸機を塗ったんだけどディカールある?』というお客様に『実は(マイクロスケールからは)発売になっていないんですよ』とお答えしたこともあります。(チャンプ製はあったかもしれませんが、すでにメーカーは操業を終了した後ですし弊社でも輸入を止めた後でした。)

 余談はさておき月刊とれいん2004年6月号(米国客車を楽しむ:Rio Grande Ski Train)でも書いたことですが工作内容は下記のとおりです。
《2:インテリアの搭載》
 最近、買うだけ買ってそのままになっていた新IHC客車のインテリアを組み立てて装着しています。
 旧IHC(=リバロッシ製品と同一)は1ピースインテリアだったので『滑り込ませれば取り付け完了!』だったのですが新IHCはベースになった実物の車内を比較的細かく再現してあるためバラバラの上、箱には『Assembled in about 30 minutes~(=約30分程度で組み立て可能)』などと書いてありますが、真面目にバリ取りなどをして組むとタイプによって3倍以上の時間が掛かります。
 また一部の部品はベースとなった客車の室内資料を持ってないと、どこに付けてよいのかわからない部分もあります。
 ですがバラバラ部品の状態では大した重さではないのですが組み立てて車輛に搭載するとちゃんと適度な『ウェイト代わり』の重さになってくれます。

 ただしこのインテリア、ベースになった車輛の室内を忠実に再現しているのですが成型色が赤、青、緑などと原色系の派手さ(実車でも鉄道によってエンジ色、紺色などのシートはもちろんあります)なのでクリーム色などで塗装変更した方が良いでしょう。

*IHC製品は同社の廃業により、すべて絶版になったためリンクアドレスを削除しました。

 上記のインテリアを室内装置のない時代の真鍮製品(クマタ製など)やアサーン製品などに転用されるお客様もいらっしゃいます。
 また食堂車用は加工次第で日本型の旧型食堂車(マシ29、マシ35など)にも転用できる可能性もあります。
 もちろん切り継いで使える箇所のみ使うのですが、『ある』のと『ない』のではまったく違います!ぜひお試しください。
 食堂車用はテーブルの上に食器などのモールドまでしてあります!さらに追加するのであればプライザー社の料理と食器のセットなどを使うのもおもしろいかもしれません。

Preiser社製HOスケール
590-17220 Tableware & Food for Tabel
http://www.walthers.com/exec/productinfo/590-17220

 なおAdair Shops社から補充用ウェイトセットがメーカー及び形式別に発売されております。
 これを取り寄せてテスト的に搭載してみましたが必要以上に重くなるだけですのでそこまでする必要はないと思います。
《3:台車センターピンを正しい位置に変更!》
 プラ製流線型客車などではよく『急曲線通過のため』と称してセンターピン穴を前後方向にずらしているメーカーがあります(Con-cor、IHC、旧Rivarossiなど)が、そもそも85フィート(=日本型換算で約25m)級車輛にR460などという急カーブを通過させようという考え自体が間違いなのです!

 Walthers製3軸台車のように台車自体がダイキャスト製など台車重量があれば問題は発生しにくいのですが特に2軸台車の場合、プラ製台車のままでは同じ台車内の車軸にかかる重量(=軸重)の偏りが顕著に出るためカーブなどでは逆に脱線の原因になります。(=軸重抜け。2000年3月の営団日比谷線中目黒事故で世に知られるようになりました。)

 これを防ぐためには車体側の台車ボルスターを正しい位置に付けた上で正しい位置にセンターピン穴の開いた台車を用意して置き換えるのが良策です。正しい穴位置の台車を適当に使用しても良いのですがこれだけ各種客車用台車が分売されている時代ですのでせっかく置き換えるのであれば実物に即した(または類似)台車を履かせたいものです。

 戦後流線型客車台車の2大勢力の片翼を担うGSC Commonwealth台車(41-N-11)ですが以前は安価なMDC/Roundhouse製が発売されていましたが同社のAthearnへの吸収合併により現時点では供給がストップしています。(個人的にはいくつか自宅にストックしていますがそろそろ限界かも…)
 そこで現在ではIntermountain/Centralia Car Shopsの『Passenger Truck/Black(Walthers品番:85-4999)』を使用します。

InterMountain/Centralia Car Shops Passenger Truck/Black
http://www.walthers.com/exec/search?quick=85-4999&
quicksrch_butt.x=30&quicksrch_butt.y=3

 この台車、高価なことだけあってダイキャスト製(黒染め済み)フル・ディテールの上、軸バネ入りです。
 また車輪も正しい径である10.5mmを履いています。ただ惜しいことにダイキャストの地を出した”銀色仕様”が未発売です。(銀色仕様もかなり使い勝手があるはずですが…。)現時点でどうしても銀色仕様が欲しいという方は台車を丸ごと洗浄して油分を取った上で銀色に塗装する以外にありません。(くれぐれも分解しようとしないように!組み立てられなくなりますよ。)
 ただしセンターピンに2mmビスをそのまま使用するとブカブカですのでEVERGREENのプラパイプmm径の内径を2mmに広げてブッシュにします。

 同様の台車はIHCからもほぼ同額で発売されておりますが、あちらはなぜか貨車用の9.5mm径を履いています。 そのためKadeeカプラーの取り付け基準より車高が低くなりますのでご注意ください。(その際はセンターボルスターを高くすれば基準値になると思います。ただし車体裾との隙間が大きく開いてカッコ悪いと思いますが…。)

 なお上記2社のダイキャスト製台車を用いる際はショートにご注意ください。こればかりは電気を通した線路で運転してみないと大丈夫かわかりません。

 また戦前流線型客車台車の代表はGSC社の41-HR(または41-TR)です。これはAthearnからATH-90411として発売されています。

ATH-90410:4-Wheel Passenger Truck/Black
http://www.athearn.com/Products/Default.aspx?ProdID=ATH90410

ATH-90411:4-Wheel Passenger Truck/Silver
http://www.athearn.com/Products/Default.aspx?ProdID=ATH90411

 41-TRと41-HRの差は『外から見てブレーキシリンダーが見えるか見えないか』になります。Athearn製は軟質プラですので削ることで41-TRタイプになります。
 台車取り付け用ボルスターはIHCから『4-Wheel Passenger Truck Adapters $3.98(品番:348-4242)』も発売になっていますが私はt0.5mmプラ板を10mm角にカットしたものを積層して使用しています。(t1.0mmでも良いのですが『切断が大変』、『小刻みに対応できない』といった問題で使用していません。)
 センターピンには秋葉原ラジオセンター(総武線の高架下)の山本無線にて2×15mmビス、2mm径ワッシャー、2mm径ナットを購入して使用しています。(15輛分程度購入しても200~300円程度です!)

 私の場合、1台車(1輛分ではありません)辺りの使用数は下記のとおりです。

・2×11mmビス=========1本(台車回転範囲制御用)
・2×15mmビス=========1本(センターピン用)
・内径2mm径ワッシャ=======0~3枚(使用する台車によって異なります。)
・2mm径ナット ========= 3個(2×11mm用:1個、2×15mm用:2個)
・10mm×10mm×t0.5mmプラ板== 3~6枚(使用する台車によって異なります。)
・5mm×10mm×t0.3mmプラ板== 2枚(使用する台車によって異なります。)
・5mm×10mm×t0.5mmプラ板== 数枚(使用する台車によって異なります。)
 *プラ板はスペーサーとして用います。

 同じIHCでもヘビーウェイト客車の場合は下記になります。(1台車分)
・3×15mmナベビス=========1本(センターピン用):約100本入り420円
・内径3mm径ワッシャ========2枚:約100枚入り130円
・3mm径ナット===========2個:約100個入り300円
・内径3mmスプリングワッシャー=====1枚:約100枚入り84円
*ラジオペンチ2本を用いてスプリング機能を殺した状態で高さ調整に使用します。
*ヘビーウェイト客車の場合、スペーサー用のプラ板は必要ありません。
*上記価格は秋葉原山本無線にて2011-03-116購入時の価格です。時期によって若干上下します。
《4:連結器はケーディーを正しい高さで装着!》
 最近でこそHOスケールの各メーカーはその多くが『ナックルタイプ(=自連タイプ)』を装着して来るようになりましたが以前はホーンフック(=X2F、NMRAタイプとも言います)が当たり前でした。ただしナックルタイプもケーディーを除いて軟質プラ製がほとんどです。
 このプラ連結器が曲者で金属製に比べ、ナックル部の上下方向への滑りが良いのか編成長が長くなれば長くなるほど自然開放率も高くなります。客車の場合、貨車に比べ2倍程度以上の重量があるためその傾向が顕著に出ます。
 そのため私の保有車輛はほとんどをケーディーの『金属製(ココが大事!)』に置き換えてあります。

 ただしバックマン社の製品だけはカプラーポケットの内寸(特に上下寸法)がNMRA規格よりも若干狭いためにケーディー社最新の『ウィスカータイプ(=ひげバネタイプ)』を用いても首振りが良くないためにそのまま(ただし最低でも金属コイルバネ仕様へ交換)、もしくはケーディー社のウィスカータイプでもスケール仕様(蒸機のボイラー側など見栄えのする場所)にしております。

 また安価なプラ客車の多くは連結器がNゲージのように『台車マウント』です。これは推進運転時に脱線を引き起こす原因になるため私はすべて『車体マウント』に改造しております。
 この際『プラ板でカプラースペーサーを作って車体にマウントしている』という方もいらっしゃいますがJay-Bee社から『Coupler Mount Pad』というアイテムがメーカー別・車体形状別に発売になっているのでこれを長年愛用しております。
 車体マウントにするにはこれを利用するのが一番簡単ですが、これを適度に加工した方が良い場合もあります。(新IHC製品)

製品リスト(各3輛分入り)
http://www.walthers.com/exec/search?category=CPLRS+TRKS&scale=&manu=369&item=
&keywords=coupler+mount+pad&words=restrict&instock=Q&split=30&Submit=Search)

*米国メーカーの価格は毎年変わる場合があります。
369-110:旧Rivarossi/旧IHC製旧型荷物車・郵便車、旧型座席車、スムースサイドRPO
369-111:旧Rivarossi/旧IHC製旧型客車(上記を除く)
369-112:旧Rivarossi/旧IHC製スムースサイド客車(上記を除く)
*新IHC製品には上記を用いて台枠に収まる部分の幅を若干詰めます。
369-113:Athearn製流線型客車
369-114:Athearn製旧型客車
369-115:Con-cor製72フィート級または85フィート級流線型客車
369-116:Con-cor製Superliner客車
369-117:旧Rivarossi/旧IHC製コルゲートサイド客車
 *新IHC製品には使用できません。
369-118:Bachmann/Spectrum製旧型客車
369-120:Train Station Products製Hi-Level客車

 車体マウントにすると付加価値として連結面のディテールアップを行うことが出来るようになります。
《5:車輪は金属車輪に交換》
(ただし交換した台車がすでに金属車輪付きの場合はそのまま。)
 ただしWalthersのBudd、Pullman-Standard、Heavyweight客車は交換しないように!
 台車枠が集電板を兼ねていますので片側絶縁の車輪(さかつう車輪も含みます)に交換すると室内灯装置を付けた場合、ショートします!
 製品に付いている車輪は両側絶縁です。(車軸の中央部をプラ製にすることで絶縁しています。)
 ではこの連載お決まりの『閉め言葉』で今回分を終わりにしましょう。

『それでは次回まで、ごきげんよう。』
Next Trains:その3:『郵便・荷物列車』のススメ


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